信念なんて簡単に言うもんじゃないということをカップ麺に教えられた

カップ麺。

 

漫画やアニメなどと並び日本が世界に誇れるもののひとつだ、ということに異論のある者はいないだろう。

1971年にカップヌードルが発売されてから今日まで、様々なバリエーションと共に進化を遂げ、今や麺的なものでカップ麺化されていないものなどそうはないと思われる。

 

昨今は有名店のラーメンをカップ麺化したクオリティーが高いものも沢山あり、選ぶのが大変なくらいだ。

 

なので、私はカップ麺を選ぶ基準というかルールを設けている。

簡単に言うと、生麺タイプや有名店物のような本格タイプは買わない、という縛り。

本格タイプのカップ麺を食べるなら、ラーメン屋に行ったほうがうまいに決まってるし、と斜に構え、こだわりのある信念の漢ぶっているのだ。

 

さて、これから漢のこだわりの信念を披露するのだが、まずカップ麺の良いところとはなにか。

あの良い意味でのチープ感や、本格とは真逆のいかがわしさにある、と私は断じる。

 

ので、カップ麺で一番好きなのは、断然カップ焼きそば。

あの人の何がいいかといえば、まず焼きそばを名乗りながら焼いてないところ。

嘘ついてんじゃん。

そして焼いてないというのは、ただ茹でた麺にソースぶっかけてるだけ、ということになる。

なんと適当で雑で悲惨とも言える食い方なのだろう。

例えば、炒飯を注文したらご飯に醤油をぶっかけたものが出てきたようなものだ。

 

このあり得ないようなもの、これが何故かうまい。

良いうまさと悪いうまさがあるとするならば、確実に悪い方。

 

だがそれがいい。

 

あれを毎食食べたいとは流石に私でも思わないが、たまに食べたくなるという人は世の中には結構いると思う。

 

そういえば少し前に、カップ焼きそば界の超ビッグネーム、ペヤングから「ペヤングソースやきそば 超超超大盛 GIGAMAX」という通常サイズの4倍のものが発売されたようだ。

異常な量といい、‘‘超’’が3つにギガにマックスとくれば、完全に常軌を逸していると言う他ない。

キワモノさ爆発という感じだが、ふざけてる感があってとても好感が持てる。

若い頃なら迷わずむしゃぶりついたのだろうけど、以前にも記したように、胃腸の機能が弱りつつあるオジンとなった今では購入には至っていない、残念ながら。

 

 

焼きそばに次いで食べる機会が多いのは、カップ蕎麦、うどん。

どん兵衛、緑のたぬき、赤いきつねなどお馴染みの昔からあるあれだ。

やはりこの人たちも、本格的な蕎麦やうどんとは一線を画すカップ麺独特の世界観が素晴らしい。

 

「あ〜蕎麦食いてぇ」と思った時に、緑のたぬきを思い浮かべる人はいないだろう、カップ蕎麦以外の蕎麦を食ったことない者以外。

ここからわかるのは、カップ焼きそばと同様に、蕎麦、うどんという名は同じでも、生のものとは別の道を歩む存在だということだ。

 

なので、カップ麺を買う時は間違っても「ごんぶと」や「ラ王」などは選ばない。

生麺を食らいたいなら、カップ麺じゃないものを選ぶべきだというのが大事なところなのだ。

 

その流れで言うと、やはり元祖カップ麺のカップヌードルも外せない。

全てのカップ麺はカップヌードルを源流としている訳で、例えば「中間管理録トネガワ」という漫画は、元のカイジあってこそのものというのと同じなのだ。

 

カップヌードルにも色々な種類があるが、その中でも私は断然チリトマト推し。

子供の頃は、チリでトマトなヌードルなんてあり得ないと思っていたのが、今やカップヌードル各種の中ではこの赤い人しか食べなくなっているのだから因果なものだ。

 

 

カップ麺に対してのこういった矜持を胸に日々を過ごしている訳だが、先日セブンイレブンに行った折に、久しく食していないことを思い出しカップ麺コーナーに向かった。

 

そこにはズラリと本格派タイプが並んでいる。

すみれ、山頭火、もちもちの木、一風堂、とみた......

百花繚乱の様相を呈する光景に圧倒され、気がつけばそのうちの1つを手にレジへと向かっていた。

 

今思うと、今年の夏の暑さで頭がおかしくなっていたのかもしれない。

 

家に帰って湯を沸かし包装を解いている時、突然我に返り驚愕する。

俺はなぜ本格派タイプを食おうとしているのだ。

いくら考えても、セブンイレブンに入ったところまでしか思い出せない。

 

考えてるうちに湯が沸いてしまったので、仕方なく注入。

 

さすがに湯まで注入されたものを打ち捨てる、なんて人道に反することはできぬので今回だけと決めて食すことにする。

 

ちょっとした気の緩みから、己の信念を曲げてしまうことに忸怩たる思いで、心の中では悔し涙を流しながら麺を啜る。

 

 

...うまい。

 

猛烈にうまい。

 

そこからは無我夢中で喰らいまくり、汁まで飲み干してしまった。

 

満足感とともに、今迄の私の信念、さっきの忸怩とは何だったのだという思いが湧き上がる。

こんなにうまいものを、よくわからない理屈で食わずにいたなんて、もう信念というより呪いではないか。

あまりの愚かさに反吐がでる。

 

まぁしかし、本格タイプのうまさを知ってしまったからにはしょうがない。

これからは積極的に選んでいこうと思う。

そして、今後信念なんていう大それた言葉は二度と口にしないことを信念としていこうと思ふ。

 

 

 

 

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