シーンとしている。
いつもなら蝉の声や、夏休みに入った子供達の遊ぶ声がうるさく聞こえてくるものだろうに。
聞こえてくるのは、運送会社のトラックの音と、熱中症に気をつけましょうという防災放送くらいなのだ。
毎日何回もある防災放送だが、最近は地域の小中学生に喋らせるという試みをしていた。
が、
今日、熊谷市長の富岡さん自ら「命に関わる暑さです」という放送をしていたので、何事かと思いきや、我が熊谷市が歴代最高気温の第1位に返り咲いたらしい。
つい先日、「暑くないぞ!熊谷」という新しいキャッチコピーを付ければいいと書いたそばからこれだ。
聞けば41.1度だったらしい。
またもや0.1度差。
これまたVARの出番。
私はテレビはアニメとスポーツしかみないので、これはあくまで憶測だが、きっと熊谷にテレビの人達がやってきて、地元の人にインタビューをするのだろう。
そして、インタビューに答える人は、
「いや〜参りますね、ホントに。とてもじゃないけど外になんて出られないですよ」
なんて、ちょっと半笑いで答えるのだろう。
インタビューに答えてるその場所は外なのに。
その半笑いは、日本一に返り咲いた誇らしさと、実際熱中症で亡くなっている人もいるのだから、喜ぶのはどうかという社会通念的なものとのせめぎ合いを表している。
昔から熊谷ではよくみる光景だ。
「いやぁまったく暑くてヤになるぜ!」
と言いつつ、少し嬉しそうだったり。
数年前に甲府や館林などが、暑さ世界でメキメキと頭角を現わしてきていた時も、観測所の位置の問題でホントは熊谷のほうが暑いんじゃ!みたいな。
ここらへんのことは難しい話で、病気自慢のような心理と、国際大会で日本代表が勝てば嬉しいみたいな自分が属するものが1番なら嬉しいという意識などが混じりあっていると思われる。
嫌よ嫌よも好きのうち的な感じか。
実際、1度や2度の暑さの違いなんてどうでもいいよとクールぶっている私ですら、熊谷が1番と聞けば「オッ」ってなるし。
でも、暑さ1番で多少なりとも喜んでいられるのも、ここらへんが限界だろう。
このまま気温の上昇が続いて、またもや記録更新!熊谷49度とかなれば、流石に喜んでいられないはずだ。
それでも「いやぁ熊谷はね、ホント暑くて参っちゃうよ」なんて半笑いで言ってたら、それこそ「暑さで気が触れる街!熊谷」というキャッチフレーズをつけなくてはならないだろう。
これだけ暑いと言われなくても水分を多量に摂取してしまうわけだが、すると私のような者は別の心配が出てくるので少しこの暑さはおさまって欲しいと心から思ふ。