洋服をやり始めるにあたって資料を改めて眺めてみると、色々細かいなぁとやる前からテンションが下がり気味。
「自らが進んで始めた作戦なのですから、粛々と任務を遂行するのが旦那様の務めだと思われます」
と、ヴァイオレットちゃんに手厳しいことを言われ、仕方なく始める。
まずはスカートからやって、それを基準に構築していこうという作戦。
アルミテープとアルミホイルを駆使して、ブワッとした感じを形作る。
パレオ的な感じ。
この上にポリエステルパテを盛っていこうと思う。
今までの少ない経験で使ったポリパテは、モリモリとタミヤのやつなのだが、今回どーんとデカいのを購入。
ロック クイックパテ。3.5kg。
この量を使い切るのに、どんだけ作らなきゃならんのだろう。
この量としては安いけど。
パテを硬化剤と混ぜてみると、薄いピンクっぽい色で、今までの黄色よりちょっときれいかも。
巻きつけたアルミテープにメンタムをベトベトに塗って盛るが、細目だからなのかギュンギュンに流れるくらい柔いので、わかってはいたが盛り上げは出来ない。
でも硬化が早いので、何回か重ねて盛ればいいのだと思っていたのに、全然固まらないじゃん... 硬化剤が少なかったのか。
いきなり失敗したが、お構いなしに第2弾、第3弾と硬化剤多目にして盛ったらやはり早いわね、固まるのが。
あらかた盛って、手を洗いに行き戻ってきたら、立っていたはずのヴァイオレットちゃんが倒れているではないか!
スカートがブワッとなってるほうの側が重すぎて、ヴァイオレットちゃんの細足が耐えきれずに折れてしまっていた。
足は後で治すとして、適当なところで割ってアルミテープを剥がそうとするが、硬い、とても硬い。
半硬化状態の時にやろうとしたのだが、完全に機を逸してしまったようだ。
仕方ないので、リューターにダイヤモンドカッターを装着して切る。
スカートはデカいので、柄に沿って3分割というプラン。
削って、盛って、分割面を整えて、盛って削ってとやっていくうちに、大分クイックパテ180がわかってきた。
硬化剤と混ぜた色の濃さの感覚とか。
モリモリやタミヤと比べて、硬化が早い、キメが細かい、ヤスリをかけた感触が良い。
が、あまり盛り上げられない、半硬化状態が短い、硬化後は硬い、ので大きく削るにはリューターがないとキツいかも。
粉塵まみれになりながら削っていくが、ウエストから腰のあたりの身体のラインに沿っているところが薄くなり過ぎて、割れてしまう。
ので、
素体の腰周りをちょっと小さくして、ウエストは掘り下げて厚みを確保する。
そして、内側にパテを盛ってギューっとやる。
はみ出しを取り除き、分割面をきれいにして次をやる。
が、
手が滑って落としてしまい大破。
足なんて、何回も折れてるから傷だらけで酷いことになっている。
とりあえず大体の形はこんなところにして、ここから皺とかやりながら整えていく。
が、
実は少し前から気づいていたのに、気づいてないフリをしていたのが、スカートの前の部分。
赤で囲った部分の素材が違っていて、ヒラヒラのプリーツ的な感じになってるっぽいのだ。
もう既にスカートにかなり時間がかかっているのに、ヒラヒラなんてゲンナリなので、気づいてないフリをしていたのだが、
「旦那さま...」
とヴァイオレットちゃんが言いかけたので、それを手で制して
「わかった、わかってるよ、ヒラヒラね。やるよ、やりますよ」
と私は言い、アートナイフプロを手に取った。
皺とかヒラヒラとか気泡とか裏側を削って薄くしたりとか分割面を直したりとか必死にヤスリがけしたりとか、かなり弄っているのに全然進んでる感じがしない。
もう何日スカートやってんだか。
続く...